AWS Japanを退職しました

Posted on April 01, 2022  -  9 min read

3 年弱勤めた AWS を 2022 年 2 月付けで退職しました。

退職エントリを書くつもりはなかったのですが、自分にとって特に思い入れの強い会社だったので少しだけ書こうと思います。

あなたは誰?

主に AWS、フロントエンドを主軸にソフトウェア開発をしています。

AWS では何をやっていたの?

Prototyping Engineer (旧 Prototyping Specialist Solution Architect) というロールでお客様のクラウド導入支援を行なっていました。特に AWS 上で新たにサービスを立ち上げるお客様に対してアプリケーションのプロトタイピングを構築する部隊に所属していました。また、Amplifyという AWS が提供する mBaaS のエバンジェリスト的な活動もやっていました。

なんで辞めたの?

会社を辞めた理由は 100%ポジティブなものです。ネガティブな要素は思いつきませんでした。それくらい素晴らしい会社でした。AWS を卒業される方は皆口を揃えて同じことお仰られますが、自分も例に洩れずです。

じゃあなんで辞めたかというと、プロダクト開発に戻りたい気持ちが強くなったからです。

先程も述べた通り、Prototyping Engineer は短期間でお客様にプロトタイピングを提供することに特化したロールです。お客様ごとに異なる制約(ビジネス上の制約、組織の制約、エンジニアのスキルセットの制約..etc)を考慮して最適なアーキテクチャを提案し、短期間で最低限動くものを提供するという経験は間違いなく一生の宝になるくらい素晴らしいものでした。

業種、業態によりエンジニアのカルチャーや制約が本当に多種多様で、わずか数年という短期間で十社以上のお客様に対しプロトタイピングプログラムを提供できたことはエンジニアキャリアを数倍のスピード感で駆け抜けたような爽快感がありました。

一方で、Prototyping Engineer というロールは、長期的にプロダクトに対しオーナーシップを持つことができないという歯痒さもありましました。 お客様と一緒にプロトタイピングを組み上げる期間はどんなに長くても 3 ヶ月程度であり、それ以降はお客様がオーナーシップを持ってプロダクトを育てていくことになります。我々の役割は、お客様が自走できるよう、ソフトウェアの雛形を作成し、その知見をお伝えをするところまでであり、それ以降の成果物は自分達の手を離れることになります。様々なお客様のワークロードに関与できることができる一方、プロダクトの最後までオーナーシップを持つことができないというのはどこか物足りなさ(寂しさ?)を感じるようになりました。

SA を知ったきっかけ

そもそも自分が Solution Architect(以下、SA)というロールに興味を持った経緯についても触れたいと思います。 SA というロールを知ったのは、2018 年 10 月にオープンしたAWS Startup Loft Tokyoでした。

ここは、AWS が提供するコワーキングスペースで AWS アカウントを持っているエンジニアの方であれば誰でも利用できるという場所です。(※2022.4 現在、COVID-19 の影響で一時的に閉館しています) Loft には「Ask An Expert」という無料で SA に相談ができるブースがあるのですが、ここにいた SA の方々が本当にすごかったんです。AWS に関する質問であればどんなトピックに対しても打ち返してくる。あまりになんでも答えてくれるので、あえて、Redshift Spectrum と Amplify、ECS という全く異なる分野の質問を一度に相談したことがあるのですが、どのトピックに関しても涼しい顔で的確なアドバイスをくれたのです。当時 AWS エンジニア歴 2 年目くらいの僕にとっては衝撃的な体験でした。

興奮冷めやまぬうちに Twitter で SA ロールの Hiring 説明会に関するツイートが流れてきたので、迷わず応募し、なんやかんやあって Associate Solution Architect としてオファーをいただきました。

僕の SA としての理想像はあの Loft での体験が原点になっていた気がします。

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AWS で得たこと

チープな回答になりますが、多分この会社に入らなければ一生出会わなかったであろう優秀な人たちと一緒に仕事ができたことでしょうか。

AWS に入社しなければ井の中の蛙のままエンジニア人生を終えていたかもしれませんし、5 年後、10 年後に彼らのような素晴らしいエンジニアになるためにはどうすれば良いかを常に考えながら仕事ができるようになったことは、自分のエンジニアキャリアを何ステップも前進させてくれたように思います。

次何やるの?

とある Fintech 企業にて Software Engineer として働きます。 その他にも色々とやりたいことがあるので、それに向けて準備を進めていこうと思っています。

最後に

だいたい自分は 3 年くらいで転職を繰り返していて退職に対してはそこまで抵抗がないタイプの人間だったのですが、AWS の退職は最後まで悩みました。 それくらい Amazon のカルチャーが自分に fit していて今回の退職を後悔することもあるかもしれないです。

それでも会社を去る決意ができたのは、同僚達のような素晴らしいエンジニアとして成長するために AWS を離れて再びプロダクト開発の道に戻ることが自分にとって長期的に頑張れる気がしたからです。先にも述べた通り、AWS という環境で得たものは優秀な同僚との出会いだなとつくづく感じます。

将来、やりたい事の巡り合わせと Amazon という環境が一致したときに再びオファーレターを貰えるくらいにエンジニアとして腕を磨いていきたいと思います。

And that is why it is always Day1!